【イベントレポート】南房総2拠点サロンvol.3 〜南房総×移住

2018.8.31

近年、自分らしく生きる、暮らす、働くために「移住」という選択をする人が増えています。そんな移住ブームの中、都心へのアクセスと、豊かな自然を兼ね備えた、千葉県房総半島の南側「南房総」が、人々の新たな居住地として注目を浴びています。移住と一口に言っても、どんなきっかけで、どんなつながりで、どんな生活を送っているのかは人それぞれ。南房総への移住について語り合う、「南房総2拠点サロンvol3.南房総×移住」が2018年8月22日(水)HAPON新宿にて開催されました。観光まちづくりを専攻する首都大学東京4年生のイシイが、実際にイベントに参加し、その様子をレポートします!

おそるおそる自己紹介・・・

美味しそうなお酒と食べ物が並べられたテーブルに、徐々に人が集まってきました。イベントが始まるまで、自己紹介タイム。私の周りだけでも、南房総をフィールドにゼミを行っている大学の先生や、南房総への移住を考えている人、地方移住に興味のある学生など、参加者は、年齢も職業も参加目的も三者三様。

イベントスタート!

初めに、イベントの司会であり、会場のHAPON新宿の運営している永森昌志さんの挨拶です。永森さん自身、東京と南房総の2拠点居住を経たのち、南房総に完全移住をしています。
このイベントの特徴は、他の移住に関するイベントのように、個々人の移住経験談に留まらず、参加者に、移住の大体の流れをつかんでもらう内容になっている点にあるそうです。

参加者に、このイベントにどうして来たのか聞いてみると、
南房総への移住を考えている人
どこかに移住したいけど踏ん切りがつかない人
既に南房総に移住・2拠点居住している人
南房総の移住に関するサービスを考えている人など、
本当に様々です・・・!

続いて、実際に南房総に移住をした3人のパネリストに、“動機”、“関係”、“実際”の3つのテーマに分けてお話ししていただきました!

【動機】房総移住分類学〜人はなぜ移住するのか〜 ―漆原秀さん

移住歴20ヶ月の漆原さん。一昨年の年末に家族3人で南房総に移住しました。

「移住したって言うと、周りの人から、海が好きなの?サーフィンが好きなの?とかよく聞かれるけど、自分の場合、やりたいことを突き詰めて行った結果が南房総ってだけで、カタログを見て憧れたからではない。」

こうして、人が移住をするという行為にはもっと深い理由があるのではないか?と掘り下げていった結果、今回お話しいただいた“房総移住分類学“に行き着いたそうです。

人はなぜ行動を起こすのか、の要因は、“外因(誘因)”と“内因(動因)”の2つに分けられます。
移住についてよく語られるのは、その地域のアクセスや自然環境などの“外因”ばかりで、個々人のプライベートな部分にあたる “内因”については、あまり語られません。
そこで、漆原さんの考えたマトリックスを使って整理すると、人が移住をする動機の根っこの部分まで掘り下げられると言います。これが、“房総移住分類学“なのです!

実際に、パネリスト一人一人の移住の動機を、このやり方に沿って紹介してもらうと、初対面とは思えないほど、その人の考え方の根っこの部分が見えてきました。
東さん「この4軸に当てはめると、深夜の2時に仲良い人同士で話しているような内容が出てくるんだよ(笑)」

漆原さんは、
「移住は、今までの人生でやって来たことの棚卸しの結果の意思決定のうちの1つ」
「このマトリックスが、皆さんの移住の意思決定に役立てばいい」とのこと。

【関係】南房総にはどんなコミュニティがあるの? ―東洋平さん

移住歴7年の東さん。無印良品のWEBメディア「ローカルニッポン」の南房総エリア担当のライターです。本題に入る前に、様々な観点から南房総の魅力について熱く語ってくれました!歴史的に移民の多い南房総だから、今も新住民と旧住民の軋轢がないという話が、特に興味深かったです。
「南房総はなんでもあるけど、なんにもない。なんにもないけど、なんでもある。」という東さんの言葉から、南房総の豊かさ、奥深さが強く伝わってきました。

さあ、本題へ。
2拠点居住向けの古民家シェアハウスや、地球に優しい地域づくりをテーマに活動する市民団体、自然の中での子育てを応援する団体、専用農家のNPOなど、南房総にある様々なコミュニティを紹介していただきました。
一番驚きだったのは、こんなに移住者が入りやすいコミュニティ、環境があるんだぁ!ということ。知らない地に移住してきて、なかなか馴染めないというのは良くある話です。南房総のように、移住者と地域のつながりや、移住者同士のつながりが生まれやすい環境があると、移住者側にとっても地域側にとっても、いいですよね。

南房総は、今も昔も移住者に寛容であることがよく分かりました!

【実際】移住者はどういう生活をしているの? ―移住談義

漆原さん、東さん、そしてライターやイベント企画を行っている、移住歴7年の鍋田ゆかりさんの3人のパネリストに、移住後の実際の暮らしについて、写真とともに紹介していただきました!

続いて、司会の永森さんの進行のもと、気になる移住後の“実際”について移住談義が行われました。房総の仕事、医療、買い物、教育、休日、人付き合いのテーマ別に、リアルな話が聞けました。

ここが他と違う、南房総の移住体験ツアー

プレゼンの締めくくりは、南房総市主催のツアー紹介。
10/13(土)~14(日)に南房総一泊二日移住体験ツアーが行われます。
南房総市の移住体験ツアーの特色は、
✓ 参加希望者の本気度(なぜ移住したいのか)を審査します。
✓ 南房総の悪いところもちゃんと伝えます。
✓ 隣の市にも普通に行きます。
✓ スーパーなど、観光じゃ行かないような、南房総での実際の生活を見せます。

南房総市が移住において大事にしていることは、
動機「なぜ移住したいのか」
関係「出会いをつなぐ」
実際「生活をデザインする」
の3つであり、みんなが幸せな生活を送るための次のステップを、一緒に考えてくれるそうです!

人生の次のステップの選択肢の1つとして、南房総への移住を考えている方は、ぜひ参加してみてください!

まずは南房総においでよ2018 ~一泊二日体験ツアー
http://www.city.minamiboso.chiba.jp/0000010311.html

お酒を片手に交流タイム

年齢も職業もバラバラですが、南房総に何かしら縁があるという共通点があるだけで、話のネタは十分。みなさん話に花を咲かせていました!この日の出会いが、また南房総で新しい何かを生み出すきっかけになると面白いですね。

今回、実際にイベントに参加してみて、南房総に一度も行ったことのない私でも、多くの人が南房総に移住する理由が少し分かった気がします。いい地域にはいい人がいるのですね!

次の南房総2拠点サロンvol.4は、2018年9月12日(水)に開催されます!テーマは、「南房総×獣害」です!なかなか耳慣れない“獣害”について、どんな議論になるのか楽しみですね!