【前編】イラストレーターの南房総おためし移住体験。東京から行ってみました!

2017.12.21

はじめまして!イラストレーターの「なかきはら あきこ」と申します。千葉県南房総市のお試し住宅体験をしてきました。嵐のような三日間、というか本当に体験した三日間はずっと雨が降っていました。市役所の方もこんなに雨が続くなんて珍しいと笑っていました。えー!せっかく南房総まで来たのに。。。がっくりした気持ちでスタートした移住体験ですが、とても充実した体験になりました。
 
そもそもなんで移住体験をしようと思ったのかというと私自身、鹿児島県の知覧町という超田舎町で育ちました。絵が好きで東京の美大に進学するまでずっと住んでいました。
 
ある日、家で仕事していると、なんだかたまらなく川が見たくなって電車に乗って多摩川に座ってぼんやりしていた事がありました。その時は、私川が好きなんだなーくらいにしか思ってなかったんだけど。友達に言われて気がついたんですが、もう一日中画面しか見てない。パソコン画面、スマホの画面、テレビ画面。もう1日中、ネットサーフィンならぬ画面サーフィン。その上、外に出ても、マンションやビルに囲まれた四角い空しかない。
 
そりゃ、川も見たくなりますよ。河川敷にいて、ふと都会の川は田舎っぽいなと思ったんです。川があると空が広くて、緑の木々を見ていると目の奥がぎゅーって気持ちよくストレッチされてるみたいな気分になる。
 
うん、これ潜在的に求めてたのかも。
 
私の場合どこでもできる仕事だし、東京じゃなくてもいいのかも?と思って。これから、年齢を重ねて都会でカッコイイおばあちゃんになるのもいいけど、それでいいのかな?なんか、私っぽくないかも。でも、仕事しないと暮らしていけないし、そもそも田舎に、こんな訳のわからない職業の人間がポンって行っても村八分にあうんじゃないかと、モヤモヤ。どこか現実味のない話として考えていた田舎暮らし。それが縁あって南房総市の方に移住体験に誘っていただきました。
 
そして今回のお試し移住体験はWebデザイナーのみどりちゃんとあべちゃんと一緒に行ってきました。
二人とも、生粋の田舎育ち。3人でよく田舎で暮らしたいね〜と、いつか宇宙に行ってみたいね〜くらい現実味ない感じで語っていました。
いつかおばあちゃんになったら。いつか、東京に仕事がなくなったら。いつか、いつかと言いながら、それを肴によ夜な夜な酒を飲んでいた仲間達。そんな仲間を引き連れていざ南房総へ!
 
最初に南房総に移住した永森さんという方のお宅を拝見させて頂きました。その人は東京でコワーキングスペースを経営していて、南房総市と東京の2拠点生活をもう10年もされているそうです。街中から少し離れた、ちょっとした高台にお家はありました。
 
まず、私たちが車から降りると何本もの柿の木が駐車できるスペースの横に生えていました。出迎えてくれた永森さんはいくつか柿をとって「これ持ってかえっていいですよ」とぽいぽいっと渡してくれました。わーなんとも嬉しいお土産。とれたてホヤホヤの柿。

お家は古民家で横にはもう2つか3つくらい家が建てられそうな広い畑がありました。いろんな季節の野菜や果物を育てているそうです。
「夏場は草むしり大変じゃないですか?」と聞くと、「大変ですよー!でもここは賃貸なので、大家さんがたまにむしってくれるんです。家によるとは思いますが、賃貸の良いところだと思いますよ」とのこと。大家さんが草むしりをしてくれるなんて!都会の賃貸の感覚とは少し違うみたいでした。従兄弟が隣の家に住んでるくらいの感覚なのでしょうか。
 
自宅の横には離れになった薪で沸かすお風呂がありました。以前住んでいた方が作ったものらしいです。私の祖母の家も薪のお風呂でしたが、風呂の底からグラグラ熱がでてきて、正に沸いてるって感じでとっても気持ちいいんですよね。薪は街の材木屋さんから廃材を分けてもらっているそうです。もちろん永森さんの人柄がなせる事なのだとおもいますが、街の方の優しさたるや!
「移住者でよくありがちな失敗が、急に引っ越してきて町の人と馴染めなくて帰っちゃうというパターンなんです。僕も最初は普通のアパートから初めて、徐々に町の人と交流を持って、この家も知り合いの紹介で見つけることができたんです。」と永森さん。もし、自分が移住してきたら人見知りだし、そんなに親切な知り合いが沢山できるなんて到底考えられなかったけど、少しずつはじめることがコツなんですね。
 
その後、家の中も見せていただきました。お家の中は横幅1メートル以上はある超大きなテレビがどーんと置いてあって、パソコンなんかもありました。い・・意外だ・・・
別に田舎暮らしだからテクノロジー使わないとかそういう訳じゃないんです。便利なところは使って、バランスよくそれぞれ取り入れればいいと思う。との事。確かに、型にハマりすぎてもしょうがない様な気がする。それに案外家電と古い家はマッチしていました。
 
仕事は主にパソコン作業が多いそうなので、仕事に疲れたらちょっと草むしりしたりしているそうです。それだと草むしりも作業というよりリフレッシュする為に楽しみになりそう。田舎のいい所と現代の便利な道具をうまく使って、豊かに暮らしている様でした。永森さんの話を聞いていると移住がすごく特別なことじゃないと、とても感じました。
 

 

道の駅で買い物をして、移住体験用の宿泊場所に戻りました。お家は岩井駅から徒歩8分くらいの二階建ての一軒家で、小さいお庭もついていました。
道の駅で干物と野菜、近くのスーパーで調味料などを買って鍋を作りました。やっぱり、野菜や魚はおいしい!!3人で一食1000円程度、お腹パンパンになりましたよ。
 
お試し住宅の家はテレビがなかったので外の音がダイレクトに家にきこえてきたんですが、ほんとに静か。竹の葉が擦れる音とか、雨の音が優しく聞こえてきて、なんだかとってもリラックス。普段、3人では話さない様な恋愛の深い話とか夜更けまで話し込んでしまいました。

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