【後編】イラストレーターの南房総おためし移住体験。東京から行ってみました!

2018.1.12

やっぱり田舎暮らしの醍醐味はご飯なんじゃないかなと思うんです。田舎のとれたての野菜やお魚。地産地消の暮らし方ができるって、ほんとに体の喜びというか。南房総市に滞在中に色々なお店に行ったのですが、その中でも特にココ!というのをご紹介。

 

百姓屋敷じろえむ
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まず最初に百姓屋敷じろえむさん。敷地内に入ると大きな茅葺屋根の建物が!改修、改築を重ねながら築300年も建っているらしいです。調味料一部以外は自宅で取れたもので食事を提供してくれるお屋敷。
 

母屋の玄関を開けて、「こんにちはー」と声をかけると奥さんが出てきてくれました。膝上くらいの高さのある玄関に靴を脱いでお邪魔するスタイル。中には、お仏壇や振り子の時計、掛け軸などがあり親戚のお家みたい。
まず、ごはんがおひつで出てきました。めちゃおいしい!ごはんっておひつに入れるとこんなに美味しいんだなぁ。それ以上にご飯もプリプリ!

その後、おかずの乗った御膳が出てきて、簡単な説明とこの白い食べ物は何でしょう?という、クイズを出して「考えといてくださいね〜」と楽しげに主人はまた厨房へと戻って行きました。えっ!?なんだろ??見た目はおからみたい。
食べてみると、チーズみたいな濃厚な味わい。でもチーズの様な独特の風味はない。
少ししたら主人が帰ってきて答え合わせ。その正体は牛の初乳とのことでした。つまり牛乳。えーーー!めちゃ濃厚。牛の初乳はその名の通り最初しかとれないからとても貴重なものらしい。

じろえむで、お腹いっぱいになって、お会計をして外に出ようとしたら奥さんが、「これ、持って行ってください」とビニールに包まれた卵をくれた。「たぶん、双子の卵なのでお土産に。ちなみに双子の卵はかえらないらしいですよ」と豆知識と一緒に卵をくれた。

えーーー!永森さん所でもらった柿に引き続き、今度は卵。田舎にいると野菜とかもらえるよっていうのは都市伝説じゃなかったんだ。(都市じゃないから田舎伝説?)ありがたい。「ということはこたつで温めてもかえらないんですね。」と伝えると、卵をかえらせるのはすごく大変らしく、常に卵を回転させながら、一定の温度で温めなくてはならないとの事。なかなか人間には難しい所業。。まるで自由研究には向かないな。自由研究にした場合、ずっと回転させてる絵を描いて、今日もかえらなかった。とコメントが書かれるのかな。としょうもない自分の妄想を奥さんに伝えると、すごく笑ってくれて、ほっこりしました。なんとなくこの街の人と自分でも馴染めるんじゃないかと思えました。

私達は奥さんにお礼を言ってじろえむを後にしました。なぜかわからないけど、鶏が騒いでいました。
え、まさか卵頂いたの気づいたんですか?

なんとなく、早足で車に向かいました。
 

おさかな倶楽部
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市役所の人にココに行ってみたいと伝えると「11時開店ですから、11時前には行かないと結構並ぶかもしれないですよ!」と言われ、素直に10時半過ぎに家をでました。

正直、ちょっと侮っていました。すいません。とはいえ、雨降ってるし!とはいえ、パンケーキじゃないし!そんなに混んでるのかなーと思ってたんです。11時ジャストにお店についたら、ギリギリ最後の一組として入場できました。私たちの後の人は待たないといけない。その後もどんどん人がきて、めちゃ並んでいました。
ふーギリギリセーフ。人のアドバイスは素直に聞いとくもんですね。

富浦漁師賄い丼を注文。「煮魚も美味しそうだねー両方頼んじゃう?」なんて言いながら待っていると料理がきてびっくり。でかい。。。魚がモリモリに盛られていてご飯が全く見えない。食べ始めても、全然ご飯にたどり着けない笑。そして、うまい!付け合わせのかき揚げもサックサクでおいしかった〜

どれくらい量が多いかというと、入れ物をもらって持ち帰る人が続出するくらいの大盛りでした。友達を連れて行きたいお店ナンバーワンです。
 


 
and on café(シラハマアパートメント内)
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地図でいう所の房総半島の先っぽに近い場所。海の真ん前にシラハマアパートメントはありました。移住者の多田朋和さんという方が自分でリノベーションして作ったカフェらしいです。置いてある家具や雑貨が大きな窓から見える海とあいまって、とてもオシャレ。でも、東京のオシャレカフェみたいな気取った感じがなくてすごく居心地が良かったです。スッピンできても、ジャージできても、受け入れてもらえそうな、そんな心地よさがありました。
コーヒーもマグカップにたっぷりサイズなのも嬉しかったです。席と席の感覚も離れていて、ここでまったり仕事ができたらいいなぁ。煮詰まったら海眺めたり、海入ってもいいしね。
 


 

東京で暮らしていると、便利だし、不自由はないし、電車はすぐ来るし、外食もすぐできるし、カフェもたくさんある。でもそれっていいのかな?たぶん、私が東京にいる理由は本当にちっぽけなもの。それは、どこに住んでいるか聞かれたら、「東京です。世田谷です。」と答えることができるからで、ある種のブランドを持っていたいだけなんじゃないかなって思いました。

南房総で美味しいものを食べて、おいしい空気をいっぱい吸って、人の優しさに触れて、自然に触れて、それだけでなんだかとっても幸せな気持ちに包まれました。
あの四角い空の世界を抜け出して、ぜひ一度、色んな人に見て欲しいです。ありがとうございました〜!
(おわり)