南房総2拠点大学レポート~社会起業コース「民宿街再生」編~

2019.3.4

美しい海と豊かな里山に囲まれた南房総の地で、ローカルビジネスを学ぶ講座「南房総2拠点大学」の2018年度講座が昨年9月に開講しました。

南房総2拠点大学の詳細はこちら(https://cocolococo.jp/topics/24951

受講者たちは、自分ではじめる「小商いコース」、チームではじめる「社会起業コース」の2コースに分かれ、全4回の講座を通して講師陣・ローカルビジネス実践者とともに企画を考えていきます。

今回は、9月の現地講座から11月に開催された企画発表会までの様子を、各コースごとにレポート致します。

第1回:現地講座@南房総

富山コミュニティセンターでの全体オリエンテーションを終え、民宿街再生チームは地元富山地区の地域団体「i.PLANNER」の福原さんの案内の元、岩井民宿街を約半日かけて視察して回りました。

まず最初に訪れたのは、岩井民宿街最大の目玉である岩井海岸。当日は天気も良くまだ夏の暑さが残る中、秋の気配さえも感じる海風を浴びてチーム一同、ここから何かが始まることにやる気と期待を満ち溢れさせ、さっそく1件目の民宿さんに訪問させていただきました。

一同がまず驚いたのはその敷地の広さ、お話を聞くと岩井民宿街は臨海学校や学生の合宿を多く受け入れており視察を行った9月3日も大学生とみられる団体がバスで訪れていました。

一通り建物を見学させていただいた後に広い食堂にて冷たい麦茶をいただきながら民宿の方にお話を伺いました。

その後も、多種多様な形態で今日まで岩井民宿街を支えてきた民宿を何件か見学させていただきました。夕方、一同は岩井エリアにあるカフェ「ラック」にてそれぞれの気づきや今後の方策についてメンターである馬場未織さん(NPO南房総リパブリック)の導きの元、議論を深め合いました。

自主会合@南房総

第1回の講座開催から数週間後の9月末日。台風が関東に上陸する予報ではある中、メンバーは全員そろって岩井民宿街に再び集合。この日は、岩井民宿街にない、そして新たな層の呼び込みに必要なコンテンツを考え、空き家を有効活用できないものかと岩井エリアの空き家の視察、農園の見学や前回視察しきれなかった山間のエリアの視察を行いました。

第2回:企画ブラッシュアップ@東京

この日は東京にてメンバーが集まり島根県海士町に移住し起業した信岡さんのお話に刺激を受けながら、次回視察と発表会に向けた打ち合わせを行いました。

これまで2回もの視察を行いインプットをしてきたメンバーはこの日アウトプットを意識し白熱した議論を交わしました。岩井民宿街に新たな層を呼び込むために必要な方策は何か。様々な活動にかかるお金は誰がどのようにして出すのか。議論の末、情報発信の必要性と新たな観光資源の発掘が急務であることが明確となりました。

第3回:現地視察と発表会@南房総

早いものでこの日は発表会。これまでに視察を重ねてきたメンバーはこの日はシラハマ校舎に集合し、発表に向けた準備や今後の活動方針についてミーティングを行いました。

発表では、視察を重ねた中から、客観的に見た岩井民宿街の課題やそのためにチームとして何を行うのか。そしてその活動を行う上での課題について発表を行いました。会場には無印良品の部長を始めとして地元のことを知り尽くした審査員の方々もいらっしゃりやや緊張気味の発表者。

発表も無事に終わり審査員の方々からの貴重なコメントもいただきました。メンバーは改めてここからがスタートであることを強く感じ、近くチームで今後について話し合うミーティングを行うことを決め、解散しました。

第4回:最終報告会に向けて

発表会終了後、メンバーは東京に集まり、南房総で活動を行うための母体を組織しようということでNPO の立ち上げを決定し、設立総会を行いました。そして2月、南房総の豊かな観光資源発掘と開発推進、ITによる情報発信、起業家の創業支援を軸に活動展開予定の「特定非営利活動法人OctBase南房総」を設立しました。

最終報告会では、この組織を設立した経緯や今後の活動方針を中心に発表を行います。最終発表会ではありますが、民宿街再生チームにとっては新たなスタートでもあります。どこまでも終わりのない地域課題に逃げることなくただまっすぐに向き合っていくこのチームから目が離せません。