【イベントレポート】南房総2拠点サロンvol.14~南房総×ワーケーション~

2020.2.13

WORK×VACATION=WORKATION!「ワーケーション」とは、仕事(WORK)と休暇(VACATION)を組み合わせた言葉。休暇中に旅先などで仕事をする新しい働き方で、働き方改革を推進する企業を中心に世界的に広まりつつあります。最近では大手企業でも新しいテレワークの仕組みとして「ワーケーション」の実践に舵を切っており、働き方改革の新しい方法として注目を集めています。都心から離れた程よく離れた南房総は、日常とちがった時間を過ごすには最適の地。心地よい海沿いの道を通りながら車で1時間半。少し中に入れば、日本昔話のような里山の牧歌的な雰囲気も味わえます。半島ゆえ、食材も豊富。野菜に魚介、昨今では南房総産ジビエ肉も愉しめます。事業アイデアのブレストするもよし、チームビルディングにもよし、ヘルスケアと合わせたワーケーションもよし。ワーケーションはまだまだこれから様々な形が開発されていく段階です。今回のサロンでは、既に先駆者としてワーケーションを実践しているパネリストをお呼びして、事例を紹介していただきます。

「仕事もして、楽しむ」ワーケーションの魅力とは

一般社団法人コーポレートウェルネス研究会の傳川紀子さんは昨年、夏と冬の2回南房総でのワーケーションを開催しました。
以前から東京で企業研修やメンタルヘルスを担当してきた傳川さん。南房総でのワーケーションを開催したきっかけは、「南房総に来ると元気になる!」と感じた事。東京のビルの中よりも、南房総の自然の中で研修を行った方が効果があるのでは、と考えたことが始まりでした。

ワーケーションを行った場所は南房総の里山地域にある古民家「ヤマナハウス」。
「仕事もして、楽しむ」というのがワーケーションの発想。仕事をしつつ、合間の時間には裏山散策や夏のジビエBBQ、冬のアナグマ鍋と、里山ならではのアクティビティも盛り込まれました。
実際にワーケーションに参加した方からは「ノイズのないので意外と仕事に集中できる」との声が多かったそう。「意外と清潔」「Wi-Fi完備」など、ヤマナハウスの作業環境が整っていたことも仕事が捗る要因となったようです。

「自然の中で過ごす事で、ストレス軽減効果がある」というのもワーケーションの魅力の一つ。また、リラックスした環境下で仲間と過ごす事で、自然とチームの親睦を深めることもできます。例えば焚き火を囲んでのトークでは、普段は言えない本音や秘密もなぜか話してしまうもの。
社員旅行など職場の交流が少ない現代、業務の中で親睦を深められる事は「ワーケーションの最大の魅力」だと傳川さんは言います。

その他、地元の方との交流を通して地域の課題を知り解決に取り組む、自然の中での自由な発想を生かした異業種交流など、ワーケーションの可能性はまだまだありそうです。
「今後もワーケーションの企画を開催したい」と傳川さん。興味を持たれた方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

 

ゆったりと流れる時間の中で浮かぶ自由な発想。一方で課題も

株式会社クリーク・アンド・リバーでプロデューサーとして勤務されている大波多洋貴さんは、会社の同期と共にワーケーションを体験しました。場所は南房総市白浜町の廃校リノベーション施設「シラハマ校舎」内にあるココロマチのサテライトオフィス。海の近くに位置する解放的な雰囲気の場所です。

「自然の中でリラックスした状態で生まれる自由な発想を生かしたい」と、取り組んだ業務は企画の作成。有意義なワーケーションにするためには、大波田さんのように業務の内容を適切に選択することも重要かもしれません。

残念ながら当日は天候に恵まれなかったとのことですが、夜は滞在したゲストハウス「波音日和」のテラスでBBQをしながら、同僚と仕事の話をされたそう。東京のオフィスでは雑務も多く、話の内容も細かな業務の話になりがち。ワーケーション中はそうした話から解放されて、自由な発想で企画の話などができたと言います。

実際にご自身でワーケーションを体験して、「波や雨など自然の音を聴きながら、ゆったりと流れる時間の中で気分転換をしながら働ける」「メンバーとゆっくり会話をして仲を深めることができる」といった魅力を感じたと言います。

しかし一方で、「オフィスを離れるために予定の調整が必要」「現場仕事が多い立場の人は参加しづらい」「急な予定変更やトラブルへの対応が難しい」など、課題も見つかったと大波田さん。
組織の風土や仕事内容によってワーケーションに取り組むハードルは異なりそうです。会社の制度としてワーケーションの仕組みがあれば参加しやすいのではないかと大波田さんは話します。

大波田さん自身は、次回のワーケーションも計画もされているそう。課題はありつつも、実現できれば魅力的な働き方だと言えそうです。


サテライトオフィス活用で目指すもの

3人目のパネリストは、株式会社セールスフォース・ドットコム セールスディベロップメント本部 営業戦略室長の吉野隆生さん。リモートワーク先進地域として知られる和歌山県白浜町にある、自社のサテライトオフィスで勤務されています。
今回はワーケーションを含む「リモートワーク」全体、特にサテライトオフィスの活用についてお話頂きました。

セールスフォース社の白浜オフィスは、大きな窓から海が一望できる解放的な空間。完全移住して勤務する方、東京から3ヶ月間限定で働きに来る方、合わせて100名ほどが勤務されています。
「白浜オフィスでは東京と全く変わらない仕事が出来ており、かつ生産性は20%も向上した」と吉野さん。

サテライトオフィスでの仕事が、なぜ生産性の向上につながるのでしょうか?
自由闊達な環境、オンとオフの切り替えが明確にできるなど、いくつか要因は考えられますが、最も確実なのは「地域貢献を通して仕事に対する意識が変わること」だと言います。

サテライトオフィスでは通勤時間が短いため、余暇時間が増えます。また、地方は東京と比べて地域の課題が多く存在します。こうした環境下では、余暇時間に地域の課題解決に取り組む社員が増えるのです。例えばセールスフォース社では、地域の子供たちへのIT教育に取り組まれているそうです。
地域貢献を通して地域で認知されると、社員が会社の一員であることを自分のアイデンティティとして捉えるようになります。結果、日常業務に当事者意識を持って取り組むようになり、生産性が高まるのです。
こうしたプロセスが白浜オフィスでの生産性向上によって実証された、と吉野さんは話します。

このように、吉野さんが考えるリモートワークは、社員のリフレッシュ・幸せの追求だけではなく、さらにその先、働き方改革による生産性向上効果や地域活性化への寄与までを見据えています。地域活性化の目標としては、今後和歌山県で14,000人分の雇用を創出する事を掲げていると言います。

地方でのリモートワークは、働く個人としての魅力だけでなく、組織や社会にとってもメリットがある。この考え方が広がり、リモートワークに取り組む企業がさらに増えていくと、個人も組織も地方も元気になっていくかもしれません。

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イベントの様子。サンドイッチなどの軽食も振る舞われました。

イベント終盤には恒例の参加者PRタイムも。

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南房総2拠点大学、次回の開催は3/4 (水)  19:00〜21:45  @HAPON新宿
Vol.15のテーマは「リノベーション」です。
詳細は→https://www.facebook.com/events/2840049699371315/

(記事執筆=南房総市地域おこし協力隊、荒川悠)