「都内の若者がコミュニティ通貨だけで5日間里山で過ごせるか」実験してみた by ヤマナハウス×U-25

2019.5.27

東京からバスで1時間半、そこから車で30分もかからずに南房総市三芳に山名という地区があります。そこにはシェア里山「ヤマナハウス」というコミュニティが形成されています。そこで東京在住のU-25の3名の若者が「5日間0円で生活できるのか」という挑戦をしました。この5日間で彼らは東京にはない地域ならではのコミュニティのあり方、コミュニティの力を身をもって体感しました。彼ら自身による5日間のレポート御覧ください。

5/2。朝10時ごろ。バスタ新宿を出発して感動と驚きの連続の5日間のはじまりです。

▼U-25チーム紹介
成蹊大学 経済学部2年 松渕 龍
「大学2年の学生デュアラーです。1年生の頃、初めて訪れてから南房総が大好きです。」
東京都出身。釣りがきっかけで地方の自然の自由さ、自分を解放できる環境に惹かれ、地方に興味を持つ。東京にはない地方にしかできないアソビを無限に体験できるテーマパークを作り、地方の楽しさ、縛られることなく自分を解放することの楽しさを知ってもらうことを人生の目標に活動中。東京ではできないアソビがコンセプトのU-25向けツアーを計3回主催。

成蹊大学 経済学部2年 松岡 侑弥
「大学2年の松岡侑弥です!最近は古着集めにはまっています!」
東京都出身。1年次に松渕主催のツアーに参加。サークルやボランティアの活動をしていたが自分には合わないと感じ、いろいろなことを経験したいと活動中。今回の前日にプレミアリーグを見て睡眠不足での参戦。大学生らしい大学生。

社会人一年目 宮崎 直久
「新卒一年目のエンジニア、宮崎直久です!筋トレ好きで貯筋頑張ってます笑」
「地方で稼げるまちづくり」をビジョンに掲げITサービスを駆使し、業務の効率化や課題解決をすることを目標に活動中。そのために現在エンジニアとして就職し働きながらプログラミングを学ぶ。

今回はヤマナペイ実証実験ということで、事前に1日目、3日目のWORK分、レポート作成分のヤマナペイ(+1030Y)を前払いしていただき、4泊分の宿泊チケット(-800Y)を購入した状態でスタートしました!

 

1日目 「移住者永森さん宅でのお手伝い」

バスタ新宿からバスで「道の駅 富楽里とみやま」に到着しました。

そこからは、ヤマナハウスを運営されている永森さんが車で送迎してくださいました。この送迎で永森さんにヤマナペイを、50枚送りました!今回は普段好意で交わしている諸々のやりとりを可視化する意味で、あえてヤマナペイを介在させるようにしました。

ヤマナハウス到着後は荷物を降ろし、利用方法などの説明を受けました。

農家を営まれている溝口さんから野菜や卵を、地域おこし協力隊であり、狩猟をされている沖さんからイノシシ肉を用意していただいておりました!

対価として、溝口家季節の野菜(梅)のチケットを50枚、沖さんにイノシシ肉100gのチケ
ットを合計120枚で購入しました!

美味しそうな食材を前に、夜ご飯が待ち切れませんでした笑

その後、永森さん宅に送迎していただき、ヤマナペイの説明を受けた後、作業に取り掛かりました!作業は3人で3か所を20分ほどで担当を変えて、担当しました。
・草刈り
・草むしり
・お風呂掃除と薪ボイラーの火起こし

を行いました!また、余った時間で、夏みかんの収穫も行いました!

1日目を終えた感想として、里山の暮らしの素晴らしさを体験できたと思います。杉や、ティッシュなどのゴミは火起こしに使われ、生ゴミは畑の肥料に使われていました。こうした循環している生活は、ゴミが出ても無駄が無いのだと感じました。普段、都心で生活している人から見ると考えられないことです!

 

2日目 「溝口家で農家さんのお手伝い」

2日目は午後から有機農家の溝口家で収穫作業のお手伝いを行いました!
ヤマナメンバー溝口さんは山名地区の出身かつ在住のネイティブヤマナーで、ご実家はレタス・ねぎ・玉ねぎなどの野菜や養鶏も営まれています。

ねぎの先端にある「葱坊主」を採取したり

玉ねぎの収穫をしたり

ニワトリの餌をあげることができました!

2日目の感想として、ヤマナペイの効果やお手伝いがあるとはいえ、普通のご近所づき合いなどでは考えられないことだと感じました。

2日目の晩御飯は、カレーを作ろうと考えました。
しかし、カレールーや具材が足りないため、それらを集めるためにご近所に協力をお願いしました。お手伝いの後、溝口さんからはゆで卵やカレールーなどをいただき、また神奈川県とヤマナハウス近くで二拠点生活をされているマギーさんから、急遽行ったお手伝いでナスやジャガイモなどをいただきました。

その結果、写真のような「イノシシ肉カレー」を作ることができました!ヤマナハウスというコミュニティの信頼や、繋がりの強さを感じた1日でした!

 

3日目 「ヤマナハウスの駐車場作り&大掃除」

「ここに駐車場を作りたい」と永森さんが指を指したのは草や枝が生い茂る道路の脇のスペース。芝刈り機とスコップを持って準備完了!早速作業に取り掛かります。

暑い日差しの中作業すること約2時間…デコボコしてはいるもののようやく車が入れるように!この日の作業はここまででしたが、どんな駐車場になるのか楽しみです!

午後はヤマナハウスの大掃除。白い雑巾もあっという間に真っ黒に…笑 目に見えて綺麗になっていくヤマナハウスの主屋を見て達成感を得ました。

1日の作業を終え、待ちに待った夜ご飯…!手元にある食材でたけのこご飯を作ることに決めました。

料理に頭を悩ます3人の図…笑

若干の不安を抱えながら始まりましたが、無事に完成!!
たけのこご飯、スナップエンドウと茄子のお味噌汁など、全て頂いた食材で作ることができました。頂いた食材をどう調理したら美味しくなるか自分たちで考えて作り、美味しさと感謝を噛み締めながら食べました。3人で終始「やばい、最高」と言っていました笑

 

4日目 「すぎな舎のお手伝い&パエリア作り」

4日目は養鶏場「すぎな舎」を営んでいる川合さんのお手伝いをしました。

「すぎな舎」では、鶏が自由に動き回ることができてストレスが少ない、平飼いという方法で鶏が飼育されています。


卵を出荷するためにパックに詰める作業を手伝わさせて頂きました。川合さんが全て1人でやっているとおっしゃった時には驚きを隠せませんでした。

黄身の本当の色はオレンジではなく白っぽい黄色で、スーパーに売っている普通の卵は着色料を使っていること、餌に抗生物質と着色料を一切使っていない「すぎな舎」の卵は軽度の卵アレルギーの人でも食べることができるといった話も聞くことができました。

卵の詰め作業が終わり、次はパエリア作りの手伝いをしました。何と川合さんはパエリアの世界大会で優勝したこともある日本一のパエリア職人の方から直伝でレシピを教わっていて、そのパエリアを作るというのです。もう作る前からどんな味なんだろうとワクワクしていました笑

完成しました!川合さんはもっと上手くできるとおっしゃっていましたが、とっても美味しかったです。世界一の味!

4日目は初めての経験をたくさんさせてもらいました。やったことのないことをするのは本当にワクワクするし、楽しいということを改めて実感しました。

5日目 「南房総から東京へ」

5日間を楽しく充実して過ごすことができたのは、協力して下さったヤマナハウスの方々、農家の方々のお陰です。人との繋がりの大切さ、素晴らしさを身を以て感じることができました。普段できない経験をさせてもらい、美味しいご飯を食べることができて、なんて幸せな5日間だったんだと振り返ってみて思います。またすぐに来たくなるんだろうな。

 

5日間を振り返って

この5日間、僕たちU-25にとって、とても貴重な体験をさせていただきました。農作業のお手伝いや、養鶏家のお手伝い、芝刈り機で雑草まみれの土地を開拓、世界一のパエリアを朝から仕込む、イノシシ肉を使っての料理などなど、全てがはじめての経験でした。

このような経験が0円で行われたことに驚きを隠せません。お金を払ってでもなかなか体験することのできないことばかりでした。全ては、南房総という地に、ヤマナハウスというコミュニティがあるからこそ可能なことです。東京で同じようなコミュニティを作ろうと思っても難しいと思います。

地方ならではの力を生かした「コミュニティ通貨」だからこそ5日間0円で生活することができたのだと思います。東京にはない地方ならではの人の繋がりのあたたかさや強さに感動しました。そしてなんだか故郷のようなあたたかさにも感じます。

そして、東京に住む若者なりの関わり方で少しでもこの地に貢献していきたいとこの5日間で強く思いました。またすぐにでも南房総に帰ろうと思います。

結論!
「コミュニティ通貨があれば、南房総の里山で、5日間0円で生活することができる!!」



これを読んでヤマナペイ実験にご興味を持ったU-25の方はご連絡ください(U-25でなくても!)またヤマナハウスではU-25向け会員割引もしています。

・南房総三芳のシェア里山『ヤマナハウス』→ https://yamanahouse.site/
・三芳村生産グループ (溝口さん)→ https://localnippon.muji.com/news/1257/
・平飼い有精卵の『すぎな舎』→ https://www.facebook.com/suginasha/
・沖さん主催「はじめての狩猟講座」 → http://bosotown.com/archives/31753